2012年12月23日日曜日

若杉聖子さんの手仕事


9日の日曜日に、
目白にあるFuuro(http://www.gallery-fuuro.com/)ギャラリーへ
陶芸家の若杉聖子さんに会いに行ってきました。
数年前、アメリカから帰国してから、
編集者をしているお友達の誘いで
アメリカのCearmics Monthly(http://ceramicartsdaily.org/ceramics-monthly/)という
陶芸雑誌に寄稿をさせて頂いているのですが、
雑誌側からの熱烈なラブコールを受け、
春頃からずっと東京での展覧会を待ちわびていたのですが、
今回念願かなって作品を見ながら
いろいろおしゃべりをさせて頂くことが出来ました。

若杉さんはお若いながらも現在、多業界から注目を浴びている作家さんで、
2010年にはミラノサローネで
「現代日本の工芸作家11人」のひとりとして紹介されていらっしゃったり、
今年はジュエリーブランドとのコラボ展も開かれたりと、
とても精力的に活動されています。
すごいなあ、どんな方だろう、
とどきどきしながらギャラリーを訪問させて頂いた訳ですが、
迎えてくださった若杉さんは穏やかな笑顔がとても素敵な、
でも一本筋の通った凛とした作り手としての生き方をされている方でした。

花や植物、家紋などの日本の伝統的なカタチをモチーフとした若杉さんの白磁の作品は
鋳込みという泥状にした粘土を石膏の型に流し込む技法で作られています。
その作業は石膏の固まりを丹念に彫って削り出す原形作りに始まり、
原形の型取り、型の鋳込み、そして型から取り出した粘土の表面を
今度は手作業で何度も研磨して思い通りの線やカーブを生み出すまで、
本当に地道な作業の繰り返しです。

だからでしょうか。見た目は本当に繊細で
最初は壊れるんじゃないかとおそるおそる手に取らせて頂いた若杉さんの器たちは、
実際使ってみるととても丈夫で使いやすく、
太陽の光を受けて透き通った白磁に柔和な線と影が生き生きと映し出されていました。

今日は一目惚れして頂いた若杉さんの器に
我が家で育てている一足早い春の花、ラナンキュラスを添えてみました。
兵庫の田舎に工房を構え季節を感じながら、丁寧な生活を意識しながら創作をされているという若杉さん。
同年代ということもあり、共通点も多く、
お話をさせて頂いて、同じ作り手としてもたくさん元気をもらったような気がしました。

師走の気忙しい日常の中でも、
ちょっと一息ついてお花を飾ったり、お茶を飲んだり、
そんな時間も大切にしたいものですね。

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